■ギャラップの「Richardson Trading Post」でみつけたナバホの『Lee Endito 1960年代前半制作　Cerrillos Turquoise　sand cast bangle』です。
溶かしたシルバーを砂で固めた型に流し込む鋳造技法「サンドキャスト」
鋳型が砂であるため一回しか型が使えず、“一発勝負の正真正銘の1点モノ”。
その技術の難易度、手間、非効率性から～現在ではほとんどの作者がこの“伝統技法”を使わなくなり、インディアンジュエリーにおいても、数回使える“ワックスキャスト”が主流になりました……
この原始的キャスト作品は、流線型の柔らかいラインや複雑な形を生み出します。
それは植物や動物、風、水、土、光など“自然の在り様、流れ、循環”を抽象的に表現しているといわれています。
そのセンターにセットされた優しいモスグリーン・カラーの「セリロス・ターコイズ」
インディアンが古来から現代まで大切にしている「自然」が詰まったギフトです。

【豆知識】
●セリロス・ターコイズ
ニューメキシコ州にある『セリロス鉱山』は“アメリカで最も歴史ある鉱山”で、3世紀頃「サンマルコス族」によって始まった採掘が“アメリカンターコイズ”の始まりと云われ、「マヤ文明」に愛され交易が行われたターコイズです。
1892年から7年間「ティファニー」が所有していたことから別名“Tiffany Turquoise”とも呼ばれます。
現在は閉山しており、ストックが稀に市場に出る程度の貴重なターコイズです。
セリロスは通常のターコイズと違い、唯一火山の近くで生成された“特殊なターコイズ”です。

■サイズなど／内周136約㎜、幅約5㎜～12㎜、厚さ約(ターコイズ含まず)2㎜。ターコイズ縦約10㎜、横約9㎜、高さ約8㎜。以下現状寸法(開閉により変化)～内直径縦約43㎜×横約61㎜。開口部約34㎜。作者ホールマーク、Sterling 刻印アリ。
※アーム裏エンド付近に大きめな傷アリ。これはキャスト時にできた傷で、開閉に関係ない場所、また表まで達した亀裂ではないので折れたりする心配はありませんが、ご懸念ある方はご購入をお控えください。(画像9、10枚目参照)
※ヴィンテージ