1950年代前半の「ウィーン・フィルの古き良き時代」を体現した珠玉のモーツァルト名演集です。クラリネットのウラッハ、ヴァイオリンのバリリを中心とする演奏には、もううっとりするしかありません。モノラル録音ですが安定した良い音です。

モーツァルト
disc1
①クラリネット協奏曲
レオポルト・ウラッハ(クラリネット)
②ファゴット協奏曲
カール・エールベルガー(ファゴット)
指揮:アルトゥール・ロジンスキ
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
録音:1954年モノラル
2曲ともに古き良きウィーン・スタイルでは頂点に立つ演奏です。ウラッハほど、深々とした味わいの音色で奏するクラリネット奏者は現代では見当たりません。冬の陽だまりのような慈愛に満ちた音色には、哀愁が漂いながらも、根底にはユーモアと明るさがあります。エールベルガーのファゴットは、欠伸がしたくなるほど長閑でのんびりした味わいがなんとも言えない。ゆっくり流れていく時間を楽しむように聴いていただきたいです。最新の名曲名盤500①が第2位、②が第7位に選定されています。不滅の名盤1000にも選定されています。モーツァルトを愛する方、クラリネットやファゴットを愛する方は必聴です。モノラルだから聴かないとすれば人生の大きな損失です。
disc 2
①協奏交響曲変ホ長調 K.364（320d)
　ワルター・バリリ（ヴァイオリン）
　パウル・ドクトール（ヴィオラ）
　ウィーン国立歌劇場管弦楽団
　フェリックス・プロハスカ（指揮）
　録音：1951年
②ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調 K.296
③ヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調 K.301
④ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調 K.304
　ワルター・バリリ（ヴァイオリン）
　パウル・バドゥーラ=スコダ（ピアノ）
　録音：1952年
ウィーン・フィル第13代コンサートマスターのバリリが、ウィーンの伝統と独特の美音で上品に気高く歌い上げるモーツァルトです。K364は甘い弦の響きが魅力的です。後半は珠玉のヴァイオリン・ソナタ。ウィーン三羽烏の一人、バドゥラ＝スコダとの共演です。

国内盤、帯無し、盤面傷無し
CD club盤

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