本作は太めの幹部分から大砲、台ともに切り出し制作。大砲は枝ぶりから右利き用とし、ほぼ中心で当たり待ちできる仕様としました。台は大砲で使った近くの部位を使用した関係で親和性のある形状でまとめることができました。
　脂分の多さは相変わらずでしたが、加工後の色合いや杜松ならでは雰囲気を改めて感じさせるのでは思っています。是非写真をご覧いただきたいです。
　尚、本作は当工房規程での基本サイズは中型万力となります。完成形では当工房の基本でもある「天然感を生かした万力」に仕上がったものと考えています。

　塗装は２液性ウレタン溶剤で施し、木部と金具の接着は２液性エポキシ樹脂接着剤を使用しています。なお、大砲と台を接続する軸受皿にも銅板を象眼しています。

【基本仕様】中型万力(兆工房基準)
○大砲 = 全長約140㎜、込み長約60㎜、込み元径約12㎜(込み先は込み元径より若干テーパーに仕上げています。)、台取り付け部幅約18㎜
○台 = 全長約110㎜、最大全幅約41㎜、角木取付有効幅約48㎜
○取付け金具 = 台用ネジ径6㎜、大砲取り付け及び高さ調整ネジ径5㎜
○塗装 = ２液性ウレタン溶剤使用(下地、中、仕上げ塗り等計12回以上)
○接着剤 = ２液性エポキシ樹脂接着剤使用
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