【ノイズ・インダストリアル】
【廃盤】

ニッチな世界ですので価格については
市中品としては流通していない
中古流通価格はある程度考慮しますが
基本的に入手は困難　等
　一部の方を対象に付けています。
御了承下さい。
＊インナースリーブに油汚れ（レコードには異常なし）


音楽史に衝撃を与えたThis Heatの歴史的傑作1st。
79年リリースということもありニューウェーヴ〜ポストパンクに属するバンドということになっているが、一切似たバンドがいない、孤高の存在である。

スタジオでの即興演奏をテープに録音し、さらに繰り返し演奏を被せていくという実験的なスタイルは、当時音楽そのものへの反抗でもあった。手法はダブや後のテクノの先駆けでありながら、精神に宿っているのは完全にパンク。NME誌は「セックス・ピストルズとキング・クリムゾンとの亀裂を埋める存在」と評したそうだが、納得せざるをえない。
中心人物であるCharles Haywardはカンタベリー派のQuiet Sunのドラマーだったが、その他の2人のメンバーは音楽経験すらなかったというバランスも凄い。初期衝動と実験精神のバランスが異常にヒリヒリとした緊張感を生んでいる。

とにかくM2「Horizontal Hold」が衝撃的。スリリングで硬質なリズムトラックに変調されたギターやキーボードが乗る。音楽におけるアブストラクトという言葉はこの曲から生まれたのではないか、とすら思える。ループするトラックが不自然に切り替わっていく様はこちらの精神を切り刻んでくるかのように鋭利。
M1を再生するとテストトーンが小さく鳴っていて…という仕掛けも完璧。

吸い込まれそうな青が印象的なジャケットも◎。
現在のテクノやヒップホップにも通じる手法、プログレ的実験精神、パンク的破壊衝動…と音楽史になくてはならない一枚。