安間公彦氏は、昭和23年に名古屋で安間楽器製作所を設立し、工房の分業や冷暖房完備の環境整備を初めて手がけた人です。信州の富士弦楽器の従業員の方に技術指導したり、浜松のヤマハギターの担当者の方の工房見学を受け入れたり、戦後の混乱期から、中部地区のギター発展の父として活躍されました。

残念ながら、安間楽器製作所は、昭和57年に解散となりましたが、安間氏のギターへの情熱と製作技術は中部地区のギター製作者に脈々と受け継がれています。また、安間氏製作のガッドギターでは、安間公彦ラベル、フォークギターでは、New AnceやYasumaラベルが有名です。

出品のギターは、安間氏が昭和38年に製作した手工品ギターです。ギター作家として円熟期を迎えた頃の作品で、安間氏は後年は螺鈿細工作家として活躍され、工芸作品も得意とされており、ギター製作でも当時の良い材料を巧みに組み合わせて精巧丹念な仕上がりになっています。

トップは薄いスプルース単板と思われ、サイドとバックは薄いメープル単板のように思われます。また、ネックもメープル、指板は縞黒檀、ブリッジはローズウッドのようです。また、ギターは還暦を過ぎて、ますますキラキラとした華麗な音色が響き、音色は日々成長しています。

ただ、還暦を越えたギターのため、経年劣化によりペグを新品に交換しており、ヒールとサイド上部にヒビがあったため、固く厚着した後、塗装修繕しています。フレットのバリを削り塗装しましたので、多少のデコボコ感があります。素人修繕により、演奏可能なコンディションとなりました。また、試奏用の弦を張りましたのですぐに試奏していただけます。

塗装修繕を気にされないギター愛好家の皆さまには、確かな製作技術で華麗な音色を響かせる、安間公彦 手工品ギターを、どうぞよろしくお願いします。

全長：100センチ
弦長：65センチ
弦高：約3.6ミリ　12フレット1弦
　　　約3.6ミリ 6弦
ナット幅：約4.9センチ
ボディ幅：約9.6センチ

ギターにプチプチに巻いてダンボールで補強し梱包します。安全にお届けします。